■ 合気道との出合い
東京の大学へ行くので、まずはアパートを探すことにしました。東京生まれの父は、東京の地理にはとても詳しかったので、不動産屋に同行してもらいました。私は当時人気のあったキャンディーズの美樹ちゃんのファンだったので、美樹ちゃんの住んでいる大田区大森で物件を探すことにしました。運よく一軒目で、アパートが見つかりました。四畳半のトイレもない部屋でしたが、初めての独り住まいにとてもワクワクしました。こうして大学生活がスタートすることになりました。
入学式も終わり、オリエンテーションが始まりました。学内ではクラブ活動の勧誘で賑にぎわっていました。私は高校時代に好きだったマンガ「空手バカ一代」に憧れて、大学に入ったら、クラブ活動はやらず、池袋の極真会館へ通うことに決めていました。ところが、合気道部の方にしつこく誘われ、しかも二人の男性に両腕を掴まれて、部室へ連れていかれてしまいました。自分は極真空手がやりたいと何度も訴えたのですが、空手よりも合気道のほうが君に合っていると、理不尽なことを言われました。
子供のころから人に誘われたら、断れないタイプなので、しかたなく合気道部へ入部することになりました。
高校時代から合気道をやっている新入部員は誰もいなかったので、全員が初めてでした。稽古はとても厳しく、礼に始まり礼に終わることが徹底されていました。基本動作では5分で汗びっしょりになりました。2時間半の稽古が終わると、足腰が痛くてたまりません。翌日にも痛みは残り、半年間は毎日筋肉痛でした。
稽古は厳しかったですが、先輩方はとても親身に接してくれました。週に一度ほど目黒や五反田の居酒屋に飲みに連れていってくれました。先輩方も学生ですので、すべてオゴリというわけにはいきませんが、支払いには配慮をいただきました。
■ キリスト教との出合い
大学1年の12月18日、授業と合気道部の稽古を終えて帰宅しようと学内を歩いていた時、「聖書に関心ありませんか」というアンケートを受けました。頼まれたら断れないので、アンケートに答えることにしました。正直キリスト教にはあまり関心はありませんでしたが、その方がいい人だったので、礼拝に出てみることにしました。
大学の入学式はチャペルで行われたので、礼拝は経験していました。チャペルにあるパイプオルガンはとても立派で、荘厳な響きを奏でていました。
最初に招きの言葉がありました。次に全員で賛美歌を歌います。そして、司会者による開会の祈り、全員で主の祈り、牧師による聖書朗読とその説明。その後、全員で賛美歌を歌います。最後に牧師が祝福の祈りを行い、終了となりました。
明治学院大学はプロテスタントの長老派という教派になります。同じ長老派には、フェリス女学院大学や国際基督教大学、大阪女学院大学などがあります。
つづく